2017.11.22
プール遊びに向けて、具体的な遊びを教えてください。
暑い季節には水遊び、雪が降れば雪遊びなど、その季節だからこそ味わえる遊びは子供達にとっても貴重な経験ですから、思いっきり楽しんでほしいですよね。
しかし、水遊びが大好きな子もいれば、反対に水遊びが嫌いな子もいます。
水遊びが嫌いな理由としては「目・鼻・口などに水が入るのが嫌」「息ができないのがこわい」「浮遊感を楽しめない」といったことがあります。理由もその度合いも様々ですが、どの子にも共通しているのは、水に対して何らかの怖い思いをしたことがあるということです。
「水との出会い」が良くなかったばかりに水が嫌いになってしまった、ということですね。ただ、水が怖いということは何も悪いことではなく、むしろ水への恐怖心は安全能力につながります。
水の怖さと、楽しさを知る。
ここからプール遊びは始まります。
そこで今回は、子供達が最高の「水との出会い」をするための、おすすめの導入遊びをご紹介していきます。
【用具を使った遊び】
水遊びも陸上での遊びと一緒で、導入遊びから段階的に取り組んでいき、水に興味を持ってもらうことが大切です。
川や海でもいきなり深いところには行かず、浅瀬や渚(波打ち際)で体に水をかけたり、水に入って遊んだりすることから始まりますよね。
それと同じように、最初からプールに入れることにこだわり過ぎず、まずは疑似体験を存分に楽しみましょう。
・布団圧縮袋プール
使わなくなった布団圧縮袋に水を入れて密封し、水着で寝転がったり歩いたりして浮遊感を体験します。
屋外だけでなく、(密閉性を確認した上で)お部屋に置いても面白いですね。実際に水に触れる事がないため、水遊びが苦手な子でも楽しめる遊びの一つです。先生が泳ぐ真似をしてみれば、みんな興味津々で泳いでみたくなります。
仲間と導入遊びを楽しむことができれば、「水の中で遊んでみたい」と自発的に思えるようになります。
・ブルーシート遊び
ブルーシートに水を張り、シートの起伏が作る水溜りを利用して遊びます。
シートの上を歩いたり、寝転んだり、バケツの水をひっくり返したり、ペットボトルにシートの水を集めて遊んだりなど、自由な遊び方ができます。水が怖い子は、楽しそうに遊ぶ仲間を見ながら、水の少ないところで手や足でパシャパシャ、個々の興味関心に合わせて遊べます。
また、シャワーやホースを使った遊びと組み合わせるとより効果的です。シャワーのトンネルをくぐったあとにブルーシートの上を泳ぐ真似をして渡る、という感じで、コースを作って回遊しても楽しいです。
【シャワーやホースを使った遊び】
次はシャワーやホースを使った、水浴びの遊びです。
水浴びは体をきれいにするためだけのものではなく、水に慣れるために大切なものです。シャワーやホースを使った遊びを存分に楽しんで、心と身体をほぐす事を優先しましょう。
・水のハードルを跨ぐ
・水のトンネルをくぐる
・水のゴールテープを切る
・水溜りを作って飛び越える
【陸上の遊びを水中で行う】
水に慣れてきたらいよいよ入水です。
入水後にいきなり顔をつけたりせず、浅い場所での遊びから徐々に水深を深くしていきます。おすすめは、普段から子供達が楽しんでいるリレー遊びや触れ合い遊びなどを、プールの中で行うことです。
ルールはそのままでも、水の中で行うだけで楽しさは倍増です。水への恐怖心よりも楽しさが勝ることで、どんどん水慣れしていきます。
【まとめ】
これらの疑似体験を中心にした遊びであっても、水を怖がる子はいるかもしれません。そんな時は、怖いという感情を「先生がいるから大丈夫!」と、うやむやにして誤魔化さず、怖いことに頑張って向き合っていることをしっかり認めてあげることが大切です。
そのうえで今回のような導入遊びから取り組み、子供達が自発的に「水遊びをしてみたい」と思えるように導いてあげましょう。
これから暑さも本番になりますので、ぜひ先生方も子供達と一緒に水遊びを楽しみながら、お試しください。